こんにちは。東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」です。
歯周病の治療として、歯石取りやブラッシングなどを行っている方は多いかもしれません。
しかし、歯周病が進行した状態では、そのような処置やセルフケアだけでは改善しないことがあります。歯周ポケットが深くなればなるほど、器具で丁寧に歯石を取り除くのは難しくなるのです。
そこで行われるのが歯周病の外科治療です。
今回は、歯周病の基本的な治療方法や外科治療の内容、費用や期間などについて詳しく解説します。歯周病がなかなか治らなくてつらい思いをされている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
歯周病とは
歯周病とは、細菌感染による炎症性の疾患です。歯と歯茎の間にある溝(歯周ポケット)に蓄積した細菌が、歯茎のみに炎症を起こした状態を歯肉炎といいます。歯肉炎がさらに進行し、歯を支える骨を溶かしている状態を歯周炎といい、これらを合わせて歯周病と呼びます。
どのように細菌感染が引き起こされるかというと、歯垢が蓄積されることが原因です。細菌は歯垢(プラーク)の中に含まれているため、不十分な歯磨きによって歯の周囲に歯垢が蓄積するほど、細菌が繁殖していきます。
細菌によって炎症が起きると、歯茎が赤く腫れ上がったり歯周ポケットが深くなったりします。さらに歯垢が溜まった状態が続けば、歯垢が唾液の成分と結合し、硬い歯石へと変化します。
歯石は普段の歯磨きで取り除くことはできないため、そのままにしていれば歯周病が進行していきます。最終的には、歯を支える骨が溶かされ、歯がグラグラしたり歯肉が下がったりし始めます。治療をせずに放置すると、歯が抜け落ちることも考えられるでしょう。
歯周病は放っておいても治らない病気
歯茎に赤みや出血、痛みなどがみられても「そのうち治るかもしれない」と考えて放置する方は少なくありません。
しかし、歯周病は放っておいても自然に治ることはありません。歯垢が蓄積しないように毎日のケアを丁寧に行えばある程度改善が見込めることもありますが、毎日の歯磨きで歯周ポケットの奥深くまで洗浄することは難しいでしょう。
また、先にも述べた通り、歯垢が歯石に変化した場合には歯科で取り除く必要があります。歯周病は放っておくと進行していくため、できるだけ早めに治療を開始することが重要です。
歯周病を治療する方法
歯周病の進行の度合いに関係なく、まずは歯垢や歯石の除去が行われます。また、歯科で歯垢や歯石を除去するだけでなく、自宅でも正しいケアが行えるようにブラッシング指導も行うことが一般的です。
歯周病が進行して噛み合わせが変化した場合には、負担を軽減するために噛み合わせの調整を行うこともあるでしょう。
まずは、これらの基本的な治療を行い、歯周組織に改善がみられるかをチェックします。歯周ポケットの深さが2mm~3mmに維持できれば、その後は定期検診で経過を観察します。
しかし、これらの治療を行っても歯周ポケットの深さが改善されないような状態であれば、外科治療を行う必要があるでしょう。
歯周病の外科治療とは
では、歯周病の外科治療ではどのようなことが行われるのでしょうか。ここでは、歯周病の外科治療の内容について解説します。
歯周ポケット掻爬術
歯周ポケット掻爬術(ししゅうぽけっとそうはじゅつ)とは、歯垢を除去する器具を使用して、歯周ポケット内に溜まった汚れや歯周病菌に感染した歯肉を取り除く方法のことです。
一般的には中等度から重度の歯周病に行われますが、軽度の歯周病に行うこともあります。歯周ポケット掻爬術の掻爬(そうは)とは掻き出すことを意味し、この治療方法では歯茎の切開を伴いません。
歯肉剥離掻爬手術(フラップ手術)
歯肉剥離掻爬手術(しにくはくりそうはしゅじゅつ)は、歯周ポケット掻爬術とは異なり、歯茎を切開してから歯根に付着した歯石を除去する方法です。歯根をむき出しの状態にしてから歯石を除去できるため、丁寧に汚れを取り除くことが可能です。
歯根部の汚れを取り除いた後は歯茎を縫い合わせて、1週間ほどで抜糸します。近年では、フラップ手術と併用して、歯周組織再生療法を行うこともあります。
歯肉切除術
歯肉切除術とは、その名の通り歯肉をメスで切り取る方法のことです。歯周ポケットの深くなった部分を切除することで、セルフケアでの歯垢除去がしやすくなります。
歯科医院によっては、メスを使用せずにレーザーで歯肉を切除することもあるでしょう。レーザー治療は術後の回復が早いため、患者さまの負担が少ないというメリットがあります。
歯周組織再生療法
歯周病が進行し、歯を支えている骨が溶けているような場合には、外科治療で汚れを除去するだけでなく歯周組織再生療法を併用することがあります。
歯周組織再生療法はいくつかありますが、再生療法で効果が見込まれるのは中等度の歯周病までです。重度の歯周病では歯を支える骨の吸収が進行しているため、骨の再生はあまり期待できません。
また、切ったり縫ったりするため、体への侵襲がある程度大きくなります。糖尿病や心疾患などの持病がある方など、全身状態によっては治療を受けられないこともあるでしょう。持病がある場合には、歯科医師へ必ず伝えて治療方針を検討する必要があります。
なお、喫煙する方は、そうでない方に比べて歯を支える骨の再生がしにくいです。治療を成功させるためには、禁煙することも重要です。
ここでは、代表的な歯周組織再生療法をご紹介します。
GTR法
GTR法とは、歯肉と骨を支える骨の間に特殊な人工膜を設置し、骨の再生を促す方法のことです。
通常、骨よりも粘膜のほうが再生するスピードが早いため、そのままの状態では骨が十分に再生する前に歯肉が再生します。そのような状態を防ぐために人工膜を使用し、膜の下で骨が再生するのを待ちます。
エムドゲイン法またはリグロス法
エムドゲイン法またはリグロス法とは、歯茎を切開してプラークや歯石などを除去した後に特殊な薬剤を塗布する方法です。たんぱく質の一種であるエムドイン・ゲル、または細胞を活性化させるリグロスを歯根に塗布します。
塗布した後には縫合し、歯の周辺組織がゆっくりと再生するのを待ちます。リムドゲインやリグロスを用いることにより、歯が生えてくるときと同じような環境をつくることができるのです。
なお、リグロス法は保険適用となりますが、エムドゲイン法は自費診療となります。
歯周病の外科治療は痛い?
歯周病の外科治療では局所麻酔を用いるため、術中に痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、当然ながら歯茎を切ったり縫ったりする外科的な処置を行うため、麻酔が切れた後に痛みが生じることは考えられるでしょう。術後の痛みに対しては、痛み止めが処方されることが一般的です。
痛みのピークは術後24時間~3日ほどですので、痛みが出るようであれば我慢せずに痛み止めを服用しましょう。なお、3日を過ぎても痛みが続く場合や痛みが徐々に強くなっている場合には、歯科医院へ早めに相談してください。
重度の歯周病の治療にかかる費用と期間
重度の歯周病で外科治療を行う場合「治療が長期間に及ぶのではないか」と不安に感じる方も多いかもしれません。
しかし、歯周病の外科治療での手術は日帰りで受けられます。手術にかかる時間も1~2時間程度なので、忙しくてなかなか時間が取れないという方でも受けやすいでしょう。手術後は、次の日に消毒を受ける必要はありますが、その後は1~2週間で抜糸となります。
費用は実施する治療方法によって異なり、保険適用の手術であれば数千円程度です。保険適用外の手術となる場合には、数万円~10万円以上となることもあるでしょう。
実際には、患者さまの歯茎の状態を丁寧に確認して治療方法を決めるので、まずは歯科医院へご相談ください。
まとめ
歯周病治療でまず行われるのは、プラークや歯石の除去、セルフケアの見直しなどです。それらを行っても改善がみられない場合には、外科治療を行います。
外科治療ときくと大がかりなものを想像する方が多いかもしれませんが、手術自体は日帰りで受けることが可能です。また、歯肉や骨の状態によっては歯周組織再生療法と併用することもあるでしょう。
いずれにしても、まずは患者さまの歯肉や骨の状態を確認する必要があります。歯周病でお悩みの方は早めに歯科医院へご相談ください。なお、持病などがある場合には、必ず歯科医師へ伝えるようにしましょう。
歯周病の治療を検討されている方は、東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療やマウスピース矯正、小児歯科、虫歯・歯周病治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。