こんにちは。東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」です。
歯周病は、日本人が歯を失う主な原因の一つです。初期の段階では自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行することが多い疾患です。
放置すると歯を支える骨が破壊され、最終的には歯の喪失につながります。また、歯周病は全身の健康にも悪影響を及ぼすことが報告されています。
本記事では、歯周病の進行段階と放置によるリスク、さらに進行を防ぐための対策について、わかりやすく解説していきます。歯の健康を維持したい方は、ぜひ参考にしてください。
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歯周病とは
歯周病は、歯を支える歯ぐきや歯槽骨(歯を支える骨)に炎症が生じる疾患です。原因は、口の中にたまったプラーク(歯垢)に含まれる細菌です。
歯周病菌と呼ばれる細菌が歯ぐきの炎症を引き起こし、結果として歯ぐきの腫れや出血などの症状が現れます。進行した場合には、歯がグラつき、食べ物を噛むことも難しくなります。
最終的には、歯を失う原因にもなります。そのため、早期に発見して適切な対策を講じることが非常に重要です。
歯周病の進行段階
歯周病は、いくつかの進行段階を経て悪化していきます。進行に伴い症状が変化し、治療も難しくなるため、早期の対応が求められます。
歯肉炎(初期段階)
歯周病の最初の段階は、歯肉炎です。この段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きのときに軽い出血が見られたりします。歯肉炎の段階では痛みがほとんどないため、気づかないまま放置されることが多いです。
歯肉炎は、プラークによって歯ぐきに炎症が生じている状態です。初期段階では、主に以下のような症状が現れます。
- 歯ぐきの腫れ
- 歯磨き時の軽い出血
- 口の中の不快感
この段階であれば、適切な歯磨きや歯のクリーニングによって回復することが十分可能です。
軽度歯周炎
歯肉炎が次の段階に進行すると、軽度歯周炎となります。この段階では、歯ぐきの腫れがひどくなり、歯と歯ぐきの間に3~5mmのすき間(歯周ポケット)できます。歯ぐきが後退し、歯槽骨(歯を支える骨)に損傷が見られることもあります。
軽度歯周炎の主な症状は、以下の通りです。
- 歯ぐきの腫れがひどくなる
- 歯と歯ぐきの間にポケットが形成される
- 口臭が気になることが増える
この段階でも治療は可能ですが、放置するとさらに悪化していきます。
中度歯周炎
中度歯周炎になると、歯ぐきの後退がさらに進み、歯槽骨(歯を支える骨)の損傷が顕著になります。歯ぐきの出血や腫れがひどくなり、歯がグラつくこともあります。歯周ポケットが深くなり、歯石がたまりやすくなるのもこの段階です。
中度歯周炎の主な症状は、以下の通りです。
- 歯がグラつき始める
- 歯槽骨の損傷が進む
- 食事や歯磨きの際に出血する
- 腫れがひどくなる
中度歯周炎の治療では、歯周ポケットに溜まったプラーク(歯垢)や歯石を除去する基本の治療のほかに、外科治療が勧められる場合もあります。
重度歯周炎
重度歯周炎では、歯槽骨の大部分が失われ、歯を支える力がほとんどなくなります。歯が抜け落ちるリスクが高まり、痛みや不快感が強くなります。歯周ポケットはさらに深くなり、歯の根元に膿がたまることもあります。
重度歯周炎の主な症状は、以下の通りです。
- 歯茎が腫れる
- 痛みがある
- 歯がグラグラする
- 食べ物を噛むのが困難になる
- 膿が出る
- 口臭が強くなる
- 出血がひどくなる
- 自然に歯が抜け落ちる場合もある
重度の歯周炎になると、外科手術が必要になることも多く、治療には時間と費用がかかります。感染が他の歯に広がることや、他の歯に負担がかかることを防ぐために、抜歯を選択せざるを得ない場合もあります。
歯周病を放置するリスク
歯周病が進行すると、歯だけでなく全身にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。この章では、歯周病を放置した場合のリスクについて詳しく見ていきましょう。
歯を失う
歯周病を放置して進行させると、最終的には歯を失うリスクがあります。重度の歯周炎では、歯槽骨(歯を支える骨)が大きく損なわれ、歯がグラつくようになります。自然に抜けてしまう場合もあれば、治療のために抜歯を選択せざるを得ない場合もあります。
歯を失ったまま放置すると、食事や会話に支障をきたすだけでなく、見た目にも大きな影響を与えます。また、歯の噛み合わせが崩れて他の歯にも負担がかかり、さらなる歯の喪失につながる可能性もあります。
歯を失った場合には、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの処置が必要になります。
口臭や見た目への影響
歯周病が進行すると、口臭が強くなります。歯周ポケットの中で細菌が繁殖し、不快なにおいを発生させるためです。
歯周病が進行すると、見た目の印象も悪くなりやすいです。歯ぐきが後退したり、歯と歯ぐきの境目が広がったり、歯ぐきの色が赤紫色に変わったりすることが原因です。
全身疾患につながる
近年の研究では、歯周病が全身の健康に与える影響が明らかになっています。特に、糖尿病や心疾患、脳卒中などの病気との関連が指摘されています。歯周病によって体内で炎症が引き起こされると、その影響が血流を通じて全身に広がるのです。
例えば、糖尿病患者は歯周病が進行しやすく、逆に歯周病が悪化すると血糖値のコントロールが難しくなると言われています。
また、歯周病は心血管疾患のリスクを高める可能性もあります。細菌が血液中に入り、血管に炎症を引き起こし、動脈硬化を促進することがわかっています。
医療費の増大
歯周病を放置して進行させるほど、治療が複雑になり治療費も増加します。さらに、歯を失ってしまった場合には、インプラント治療や入れ歯の作成費用も必要となり、医療費の負担がさらに大きくなります。
より良い治療を受けようと自由診療を選択すれば、保険診療の何倍もの費用がかかることもあるでしょう。初期の段階で適切な治療を受ければ、全体的な治療費を抑えられます。経済的な負担を考えても、早期治療は非常に重要です。
歯周病の進行を抑えるためには
歯周病の進行を抑えるためには、日常的なケアと定期的な歯科医師のチェックが欠かせません。ここでは、予防や進行を抑えるために実践すべき方法を紹介します。
正しい歯磨きとセルフケア
歯周病を予防するために最も重要なのは、毎日の歯磨きです。歯磨きを正しく行うことで、プラーク(歯垢)や歯石の蓄積を防ぎ、歯と歯ぐきの健康を保てます。
正しい歯磨きのポイントは、以下の通りです。
<正しい歯磨きのポイント>
項目 | ポイント |
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歯ブラシの選び方 |
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歯磨きの方法 |
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フロスや歯間ブラシの活用 |
|
定期的な歯科検診
歯周病を早期に発見できれば、簡単な処置で改善が期待できます。そのため、定期的に歯科検診を受けることがとても重要です。
定期検診では、歯のクリーニングや歯石の除去、歯周ポケットのチェックなどが行われます。万が一歯周病が見つかった場合でも、歯科医が進行具合を正確に診断し、必要に応じて適切な治療方法を提案してくれるでしょう。
生活習慣の見直し(食生活・喫煙)
歯周病の予防には、生活習慣の見直しが効果的です。食生活では、糖分を多く含む食べ物や飲み物を控えるようにしましょう。
歯に付着した糖分は、歯周病を引き起こす原因となる細菌の増殖を促します。また、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、歯ぐきの健康を保てるでしょう。
さらに、喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因の一つです。歯周病が気になる方は、ぜひ禁煙を検討してください。
まとめ
歯周病は、放置すると最終的に歯を失うだけでなく、体全体の健康にも悪影響を与える恐れがあります。そのため、早期の発見と適切なケアを心がけることが大切です。
日々の正しい歯磨きやセルフケアに加え、定期的に歯科検診を受けることが、進行を防ぐポイントです。また、生活習慣を見直すことで、予防効果もさらに高められるでしょう。
歯周病治療を検討されている方は、東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療やマウスピース矯正、小児歯科、虫歯・歯周病治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。