こんにちは。東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」です。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化やつわりの影響により、虫歯になりやすいといわれています。虫歯は放置すると進行するため早期の治療が望まれますが「妊娠中に虫歯治療を受けても大丈夫か」と心配な方も多いのではないでしょうか。
今回は、妊娠中の虫歯治療のタイミングや治療による妊婦や胎児への影響、妊婦が受けられない治療などについて解説します。妊婦が虫歯治療を受ける際に気を付けることや、妊婦でもできるセルフケアなどもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
虫歯治療による妊婦・胎児への影響
妊娠中に虫歯になった場合「虫歯治療が母体や胎児へ影響するのではないか」と不安に思う方も多いでしょう。結論から申し上げると、基本的には虫歯治療による妊婦や胎児への影響はほとんどないとされています。
ただし、妊娠の週数によっては、使用できない薬や選択できない治療方法などがあります。また、妊婦の体調によって治療ができないと判断されるケースもあるため、歯科医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。
レントゲンの影響について
虫歯が重症化すれば、歯の内部や顎の骨の状態などを確認するために、レントゲン撮影が必要になります。レントゲン撮影ではエックス線を照射しますが、被ばく量は極めて微量です。
撮影の際には、首から下に被ばくによるリスクを低減するための鉛製のエプロンも着用します。そのため、妊婦や胎児に影響を与えることはほとんどないといえます。
麻酔のリスクについて
虫歯が進行して歯を残すことが難しいと判断された場合、抜歯を行います。抜歯をする際には局所麻酔を行いますが、通常量の麻酔薬であれば胎児への影響はほとんどありません。
また、歯科医院によっては、一般のものより副作用の少ない麻酔薬を使用することもあります。治療は妊婦さんの体調なども考慮して行われるため、体調が悪い場合は治療を延期することもあるでしょう。
虫歯を放置した場合の影響について
妊娠中だからという理由で虫歯を放置し続ければ、虫歯が進行し症状は悪化します。最終的には、歯を失う恐れもあるでしょう。重症になればなるほど治療期間は長くなり、治療費も高くなります。
また、妊娠中の虫歯を放置すれば歯周病を招くリスクも高まります。歯周病になると、早産や低出生体重児のリスクを高める可能性があるので注意が必要です。
妊婦が虫歯治療を受けるタイミング
虫歯を放置すると、妊婦や胎児へ悪い影響を与える可能性が高まります。そのため、治療はなるべく早く受けることが大切です。また、必ず歯科医師に妊娠している旨を伝えるようにしましょう。
妊娠周期によって受けられる治療は異なります。以下で、妊娠周期ごとの治療方法を解説します。
妊娠初期
妊娠初期は、胎児の重要な器官が形成されていく時期になるため、基本的には虫歯治療を避けるほうが良いと考えられています。この時期は胎児が外部からの影響を受けやすいので、薬や放射線などの使用は最小限に抑えるべきです。
また、一般的につわりが重い時期にもなるため、口腔内を長時間触る虫歯治療に耐えられない妊婦さんも多いでしょう。こうした理由から、妊娠初期は薬剤を使う治療や長時間の治療は避けられます。
ただし、虫歯による痛みなどの症状が強い場合には、安全性の高い薬の処方や応急処置を行うことがあります。
妊娠中期
妊娠中期は、一般的に母体の体調が安定するとされる時期です。お腹もまだ大きくなっていないため、虫歯治療をしやすい時期といえます。
また、つわりも落ち着いていることも多く、長時間の治療にも耐えられる可能性が高いでしょう。そのため、歯を削ったり詰め物をしたりするなどの治療を行えます。
妊娠中期は、薬剤が胎児に与える影響も少ないと考えられているため、抜歯など局所麻酔を必要とする治療ができる場合もあります。
妊娠後期
妊娠後期になるとお腹が大きくなるため、長時間同じ姿勢で治療を受けると身体に負担がかかることが懸念されます。場合によっては陣痛や破水を招く可能性もあるため、長時間かかる治療は避けるべきでしょう。
妊婦にとって治療がストレスになると、早産を誘発するリスクもあります。緊急性がなければ、大がかりな治療は避けたほうがよいでしょう。
痛みを軽減するための簡単な処置やクリーニングなど、短時間で終えられるようなものであれば、体への負担は少ないかもしれません。また、リクライニングチェアの角度を調整してもらい、なるべく楽な体勢で治療を受けると良いでしょう。
妊婦が受けられない虫歯治療
妊婦でも虫歯治療を受けられますが、抜歯を伴う治療には注意が必要です。抜歯の際には麻酔を使用し、術後は痛み止めや抗生物質などの薬を服用する必要があります。
母体や胎児に影響の少ない薬剤が選択されますが、リスクが全くないわけではありません。
特に、親知らずの場合は、他の歯の抜歯よりも麻酔量が増えることがあるので注意が必要です。抜歯をしなければならない状態まで虫歯を放置せず、早期に治療受けましょう。
妊婦が虫歯治療を受ける際に気を付けること
妊婦さんが虫歯治療を受ける際には、以下の点に注意しましょう。
妊娠していることを必ず伝える
治療前には、妊娠していることを必ず歯科医師に伝えましょう。妊娠週数や体調に応じて、適切な治療計画を立ててもらうことが重要です。特に、妊娠初期や後期では、慎重な判断が必要となります。
無理をしない
体調が悪いのに我慢して治療を受けるなど、無理をすることは禁物です。治療がストレスになれば、母体だけではなく胎児にまで影響を与える恐れもあるため、注意が必要です。
歯科医院の予約を取っている場合でも、体調が悪い場合にはキャンセルの連絡をして延期しましょう。体調が安定しているタイミングで受診し、治療中も体調が悪くなればすぐに歯科医師へ伝えてください。
楽な姿勢で治療を受ける
妊娠してお腹が出てくると、一定の姿勢を長時間続けることが辛くなります。治療中に姿勢が辛くなった場合には、我慢せずに歯科医師へ伝えましょう。姿勢を変えたり休憩を挟んだりするなど、身体への負担を減らしながら治療できます。
また、お腹に負担を与えないためにも、治療椅子の傾きなどを調整してもらいましょう。
妊婦でもできるセルフケア
妊娠中に虫歯を放置すると、様々な影響を与える可能性があります。虫歯になってから治療を受けるのではなく、日頃から虫歯にならないようにケアをすることが大切です。
また、虫歯がある場合は、進行しないように歯科医院での治療と合わせてセルフケアも丁寧に行いましょう。
歯磨きを工夫する
虫歯の進行を抑えたり予防したりするには、日々の歯磨きが大切です。
しかし、妊娠するとつわりが原因で、歯磨きが辛くなるという方も少なくありません。つわりの症状が重く歯磨きが困難な場合には、歯ブラシや歯磨き粉を変えてみたり、うがいだけでもするように心がけたり、様々な工夫をしてみましょう。
ヘッドの小さい歯ブラシを使用したり、歯磨き粉の味が変わったりすれば、歯磨きをしやすくなるケースがあります。
嘔吐したら口をすすぐ
妊娠中につわりで嘔吐することもあるでしょう。嘔吐によって胃酸が逆流することがありますが、胃酸は歯を溶かす原因になります。
嘔吐した後に胃酸が口腔内に残ると歯が溶かされるため、嘔吐した後は口をしっかりすすいでください。歯磨きもすると、より虫歯を予防できます。
甘い物を食べすぎないようにする
妊娠中は食の好みが変わることがあります。中には「甘い物が無性に食べたくなる」という方もいるでしょう。
しかし、甘い物を食べすぎれば虫歯のリスクが高まります。そのため、過度に甘いものを摂取するのは避けましょう。また、甘い物を食べた後には必ず歯磨きやうがいをして、口腔内の糖分を洗い流すようにしてください。
まとめ
妊娠中でも、基本的には虫歯治療を受けることに問題はありません。
ただし、妊娠初期や後期など、タイミングによってはできない処置もあります。医師と相談しながら、ご自身の体調を考慮して治療を受けましょう。
また、毎日のセルフケアの徹底や定期的な歯科医院の受診で、虫歯を予防することが重要です。
妊娠中の虫歯治療についてお悩みの方は、東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療やマウスピース矯正、小児歯科、虫歯・歯周病治療など、さまざまな診療を行っています。