こんにちは。東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」です。
マウスピース矯正には対応できない例があることをご存じでしょうか。「マウスピース矯正をしてみたいけど、この歯並びは難しいと言われた」という方は少なくありません。
今回は、マウスピース矯正ができない例について、具体例を挙げて詳しく解説していきます。対応できないと言われた場合の対処法もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
マウスピース矯正の特徴
マウスピース矯正とは、透明で薄いマウスピースを装着して歯を移動させる矯正方法です。これまで一般的だったワイヤー矯正に続いて、近年急速に普及しています。
マウスピース矯正の最大の特徴は、装置が透明である点です。矯正装置が目立ちにくいため、周囲の人に気づかれずに治療を行うことができます。
また、ワイヤー矯正のワイヤーやブラケットは金属を使用していることが多く、金属アレルギーのある方はリスクがありました。マウスピース矯正では、装置に金属を使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して治療することができます。
さらに、装置を自分で取り外し可能な点も特徴です。そのため、食事や歯磨きがこれまで通りできるという特徴があります。
最後に、マウスピース矯正は子どもから大人まで幅広い症例に対応できますが、ワイヤー矯正と比べて対応可能な症例が限られることがあります。
マウスピース矯正できない症例
マウスピース矯正は現在も実績を重ねており、幅広い症例に対応できます。
しかし、ワイヤー矯正のほうがスムーズに治療できる症例や、外科手術が必要でマウスピース矯正に適さない症例もあります。ここでは、マウスピースが矯正できない例を具体的に解説していきます。
歯を大きく動かす必要がある
治療前の歯並びによっては、歯がきれいに並ぶスペースを確保するために抜歯を行います。このとき抜歯する本数が多いと、歯を大きく移動させる必要があるでしょう。歯並びの乱れが重度の方も、歯を大きく動かす必要があります。
しかし、マウスピース矯正は歯を大きく平行移動させるのが苦手です。歯の平行移動はワイヤー矯正のほうが得意なため、ワイヤー矯正を勧められることがあるでしょう。
抜歯が必要でも、親知らずを抜く場合や抜歯する本数が少ない場合は、マウスピース矯正で対応できることがあります。「抜歯の本数が多いけれどマウスピース矯正をしたい」という方は、抜歯を伴う矯正の経験が豊富な歯科医師を選ぶようにしましょう。
骨格に問題がある
受け口や出っ歯、過蓋咬合の中でも、歯並びではなく骨格に問題があるケースは少なくありません。骨格に問題があると、矯正治療と合わせて外科手術で顎の位置を治す必要があります。
外科手術を伴う歯列矯正には保険が適用されますが、裏側矯正やマウスピース矯正には保険が適用されません。外科手術を伴う矯正治療は、ワイヤー矯正で行うのが一般的です。
重度の歯周病になっている
歯周病とは、歯垢(プラーク)の中の歯周病菌が原因で歯肉に炎症を引き起こす病気です。進行して重度の歯周病になると、歯を支えている骨が溶けていきます。軽度の歯周病であれば、治療して症状が落ち着けばマウスピース矯正が可能でしょう。
しかし、重度の歯周病の場合は歯を支える骨が溶けているため、矯正で加えられた力に耐えられず歯が抜け落ちる可能性があります。歯周病でグラグラしている歯がある場合は、マウスピース矯正を含め、全ての矯正治療を行うのは難しいでしょう。
インプラントが複数入っている
インプラントとは、歯を失ったときの選択肢の一つです。人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込んで歯を補う治療方法です。インプラント体はチタンでできており、チタンは骨と強く結合する性質があります。
天然歯の根元には歯根膜という膜があり、矯正治療では歯根膜の性質を利用して歯を移動させます。インプラントには歯根膜が存在しないため、矯正しても動かすことはできません。
ただし、インプラントの本数が少ない場合、インプラントを起点として他の歯を動かして歯並びを整えることも可能です。インプラントが埋まっている場所や本数によって対応が異なるため、治療前にカウンセリングで相談してみましょう。
埋まっている歯がある
何らかの原因によって歯が顎の骨や歯肉の中に埋まっている歯を、埋伏歯といいます。どの程度埋まっているかは個人差がありますが、埋伏歯は歯全体をマウスピースで覆えないケースが多いです。
マウスピース矯正では、マウスピースが歯を覆うことで力をかけて移動させます。マウスピースで覆うことができない埋伏歯を引っ張り出したり、移動させたりすることはできないのです。
自己管理が難しい
マウスピース矯正は、患者さまが自分でマウスピースを取り外すことができる点が特徴です。
しかし、言い換えると、患者さま自身が矯正装置を管理する必要があります。1日の装着時間派定められており、装着時間が足りないと治療結果に影響を及ぼします。
また、外したマウスピースをなくしたり、破損させたりするリスクもあるでしょう。自分で管理する自信がない方は、ワイヤー矯正を選んだほうがよいかもしれません。
マウスピース矯正ができないときの対処法
マウスピース矯正が難しいと判断されたとき、どのような対処法があるのでしょうか。具体的な対処法について詳しく解説します。
ワイヤー矯正を選択する
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる器具を装着し、ワイヤーを通して歯に力を加える矯正方法です。ワイヤー矯正は実績が豊富で、ほぼすべての歯並びや噛み合わせの異常に対応できます。細かい調整がしやすく、複雑な症例でも対応可能です。
しかし、矯正装置が目立つためワイヤー矯正は抵抗があるという方もいるでしょう。この場合、裏側矯正が良いでしょう。裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にブラケットを取り付ける矯正方法です。
ワイヤー矯正と同様に幅広い症例に対応することができる一方で、矯正装置を目立ちにくくすることができます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の併用
マウスピース矯正だけで矯正するのが難しい場合、マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用する方法もあります。矯正治療の初期や最後の仕上げなど、工程の一部にワイヤー矯正を取り入れ、それ以外の工程はマウスピースで矯正を行います。
ワイヤー矯正の適応症例の広さとマウスピース矯正の目立ちにくさを組み合わせた、それぞれのメリットを活かした治療方法です。
外科手術後にマウスピース矯正をする
歯並びの乱れの原因が骨格にある場合、外科手術が必要になることがあります。外科手術後の矯正は、一般的にワイヤー矯正を行います。
しかし、症例によっては外科手術後にマウスピース矯正で対応できるケースもあります。この場合、外科手術後の矯正はワイヤー矯正のみ保険が適用されることは理解しておきましょう。
歯科医院によっては対応していないこともあるので、事前のカウンセリングで相談してみましょう。
マウスピース矯正のメリット
近年、マウスピース矯正を選ぶ人が増えています。マウスピース矯正には多くのメリットがあり、ワイヤー矯正で我慢しなければならなかった見た目などの悩みを解決することができるでしょう。
ここでは、マウスピース矯正のメリットを詳しく解説します。
取り外しができて目立たない
従来のワイヤー矯正は、ワイヤーやブラケットに金属が使用されているため装置が目立つのがデメリットでした。マウスピース矯正では透明なマウスピースを使用するため、ワイヤー矯正と比べて目立ちにくい点がメリットです。
さらに、自分でマウスピースを取り外すことができるので、食事や歯磨きが普段どおりできる点もメリットです。装置に食べ物が挟まることがなく、矯正中も食事の楽しみを損なうことがありません。
また、歯磨きのときも装置を取り外せるので、磨き残しを減らして口内を清潔に保つことができます。
違和感や痛みが少ない
マウスピース矯正は痛みが少ない矯正方法と言われています。痛みを感じる方もいますが、矯正を中止したり鎮痛薬を飲むほどの耐え難い痛みを感じることはほとんどありません。1〜2週間に一度のペースでマウスピースを交換して、徐々に歯を動かすためです。
痛み以外にマウスピースによる圧迫感や違和感を覚える方もいますが、矯正を続けるうちに慣れていきます。
治療期間や仕上がりを事前に確認できる
マウスピース矯正では、事前に治療期間・歯の動き・仕上がりを予測することができます。3D映像で確認できるので治療計画をイメージしやすく、いくつかの治療パターンを比較することも可能です。
治療計画を事前に知れるのでモチベーションを維持しやすい点は、マウスピース矯正のメリットです。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正には多くのメリットがあることがわかりましたが、デメリットも存在します。ここでは、マウスピース矯正のデメリットについて詳しく解説していきます。
対応できないケースがある
最初に説明したように、マウスピース矯正には対応できない症例があります。歯を大きく動かす症例や、骨格に問題がある症例、重度の歯周病を併発している症例などです。
また、マウスピース矯正ができないわけではありませんが、自己管理ができない方は当初の治療計画よりも治療期間が延びたり、追加で費用が必要になったりすることがあるでしょう。ワイヤー矯正に比べて対応できる症例が限られることは、事前に頭に入れておきましょう。
マウスピースの管理が必要
マウスピース矯正のメリットとして、自分で装置を取り外すことができることが挙げられます。
しかし、取り外しができるということは、装着時間や交換のタイミングを自分で管理する必要があるということです。マウスピース矯正では1日20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。
装着時間が短いと治療期間が延びたり、十分な矯正効果が得られなかったりする可能性があります。また、取り外した際の破損や紛失にも注意が必要です。
自己管理に自信がない方や面倒だと感じる方には、デメリットになるでしょう。
まとめ
今回は、マウスピース矯正ができない例について解説しました。マウスピース矯正は現在も実績を積み重ねており、対応できる症例の幅も広くなっています。さらに、矯正装置が目立たない、取り外し可能といったメリットも多い矯正方法です。
しかし、どんな治療にも必ずデメリットは存在します。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると対応できない症例があるのです。自分にあった矯正方法を選択できるよう、マウスピース矯正が適さない例があることも頭に入れておきましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療やマウスピース矯正、小児歯科、虫歯・歯周病治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。