こんにちは。東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」です。
前歯を失った際、歯を補う治療にインプラントを検討される方も多いのではないでしょうか。インプラントは審美性と機能性に優れているため、近年注目を集めている治療法です。
しかし、前歯のインプラント治療は難易度が高く、お口の状態によってはできないこともあります。
この記事では、前歯のインプラント治療の適応症例や費用の目安について解説します。前歯をインプラントにするメリット・デメリット、インプラント以外の治療方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
前歯をインプラントにできる?
インプラントとは、歯を失った箇所の顎の骨にインプラント体と呼ばれるチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。1本から複数本、どの箇所にも対応できるため、基本的には前歯も治療可能です。
ただし、前歯は奥歯に比べると顎の骨が薄いため、追加で顎の骨を増やす外科手術が必要になることもあるでしょう。また、前歯は見えやすい部位のため、埋入角度や人工歯の素材などによっては違和感が生じやすいといわれています。
他の部位よりも高い審美性と技術力が求められることも、前歯のインプラントは難易度が高いといわれている理由です。
前歯のインプラントが難しい症例
インプラントは、患者の状態によっては治療が難しい場合もあります。前歯のインプラントが難しいとされている主なケースは、以下の通りです。
骨が薄い
先述したとおり、インプラント治療をするためには十分な骨量が必要です。
しかし、前歯は顎の骨が他の部分に比べて薄いです。骨の量が不十分であるとされた場合は、治療できないでしょう。
骨を増やす骨造成や骨移植をすることで、インプラント治療が可能になりますが、全ての患者さまができるわけではありません。また、これらの処置には別途費用がかかります。
虫歯や歯周病がある
口腔内に虫歯や歯周病がある場合は、インプラントの治療を行う前にこれらの疾患を治療する必要があります。
特に、歯周病を放置したままインプラント治療を行うと、インプラントの周囲に炎症を引き起こし、インプラントの安定性を損なうリスクがあります。最悪の場合、インプラントが脱落する恐れもあるでしょう。
未成年
未成年の患者の場合、顎の骨がまだ成長途中であるため、インプラントの治療を断られる可能性が高いです。
成長が終わる前にインプラントを埋め込むと、噛み合わせや歯並び、顔のバランスなどに影響を及ぼす可能性があります。そのため、未成年の場合は他の治療法を選択することが一般的です。
ただし、発達には個人差があるので、未成年でもインプラントが可能な場合もあります。未成年でインプラント治療を希望する場合は、一度歯科医師に相談してみましょう。
全身疾患がある・妊娠している
糖尿病や心臓疾患などの全身疾患を持つ方や妊娠中の方も、インプラント治療が制限される場合があります。これらの状態は、手術に伴うリスクが高まる可能性があるからです。
治療を行う際は主治医と歯科医が連携し、患者さまの健康状態を総合的に判断しなければいけません。
全身疾患がある方の場合は、インプラント以外の治療法を検討するか、必要な準備や治療を経てからインプラントを行う場合があります。妊娠中の方の場合は、欠損箇所に入れ歯を入れて補い、出産後の落ち着いた時期にインプラント手術を行うことが多いでしょう。
前歯をインプラントにするメリット・デメリット
ここでは、前歯をインプラントにするメリット・デメリットについて詳しく解説します。
前歯をインプラントにするメリット
前歯をインプラントにするメリットは、以下のとおりです。
美しい見た目が手に入る
インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋入して固定します。部分入れ歯のように金属のバネなどの部品を使用せず独立して機能するため、自然な見た目が手に入るのです。
また、人工歯部分はセラミックやジルコニアといった、天然歯のような色調や透明感を再現できる素材を使用することが多いです。そのため、周りの歯に馴染みやすい点もメリットでしょう。
しっかりとした噛み応え
インプラントは、インプラント体と顎の骨が結合することで、安定性が保持されます。自分の歯のようにしっかり噛めるため、硬いものや噛み応えのあるものも問題なく噛める点は大きなメリットでしょう。
また、しっかり噛めるようになることで顎の骨に刺激が伝わり、骨が痩せるのを防ぐ効果もあります。ブリッジや入れ歯も噛めるようにはなりますが、歯根にあたる部分がないため骨に刺激が伝わりにくく、次第に骨が痩せるといわれています。
他の歯に負担をかけない
ブリッジは、失った歯の隣接歯を削り、連なった被せ物を装着する治療法です。そのため、健康な歯を削る必要があったり、支えにする隣接歯に負担がかかったりします。
また、入れ歯は歯に金具をかけて支えるため、周りの歯の寿命を縮めることがデメリットです。
その点、インプラントは、周りの歯を削ったり負荷をかけたりすることなく、独立して機能します。周りの歯に影響を与えることがなく、健康を守れる点もメリットです。
発音しやすい
入れ歯の場合は、会話の際にずれたり外れたりすることがあります。そのため、話しにくさを感じたり、発音が不明瞭になったりすることがあるでしょう。
インプラントは顎の骨にしっかり固定されているため、発音に影響を与えることがありません。天然歯と同じような使い心地のため、人前に立つ機会の多い営業や接客業の方でも安心して使用できます。
丈夫で長持ちしやすい
使用する素材やメンテナンスの仕方によって異なりますが、一般的にブリッジの寿命は約7~8年、入れ歯の寿命は約5年といわれています。インプラントの寿命は約10~15年と、長持ちしやすいのがメリットです。
これは、インプラントが主にチタンやチタン合金という生体親和性に優れた素材でできており、顎の骨としっかり結合するため、強く噛みしめても耐えられる強度があるからです。
ただし、口腔ケアやメンテナンスを怠ると、平均的な寿命よりも早く使用できなくなる可能性が高まります。そのため、インプラント治療後は口腔内を清潔に保ち、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが必要です。
前歯をインプラントにするデメリット
前歯のインプラント治療には、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。
費用が高い
インプラント治療は、基本的には保険適用外の自費診療です。全額自己負担のため、費用が高い傾向にあります。
特に、前歯は他の箇所に比べて骨が薄いため、インプラント埋入手術以外にも骨造成などの付帯手術が必要になる可能性が高いです。追加の処置が必要になった場合、追加で費用がかかることを理解しておきましょう。
インプラントの結合部が見えることがある
インプラント治療後は見た目に問題がなくても、術後長期間経過するとインプラント部位の歯茎が下がり、歯と歯茎の境目が黒っぽく見えることがあるでしょう。前歯の顎の骨は薄いことが多いため、インプラント治療後に徐々に歯茎が下がる可能性が他の箇所より高いです。
継続的なメンテナンスが必要
インプラント治療後も、継続的にメンテナンスを受ける必要があります。
インプラントの周りに汚れが溜まると、細菌が繁殖してインプラント周囲炎になることがあるので注意が必要です。インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯茎や顎の骨に炎症が起こる病気で、重症化するとインプラントが抜け落ちる恐れもあります。
そのため、何も症状がなくてもメンテナンスを受けることが、インプラントを長く快適に使用するためには重要です。
前歯をインプラントにする費用の目安
インプラント治療は、基本的には自費診療です。そのため歯科医院によって異なりますが、前歯のインプラントにかかる費用の目安は約30~50万円と高額です。
骨造成手術や歯肉の移植手術が必要な場合は、さらに費用が高くなるでしょう。また、お口の状態や使用する素材などでも費用は変動します。
前歯のインプラント治療の費用について詳しく知りたい方は、一度歯科医師に相談してみましょう。
前歯を失った場合のインプラント以外の治療方法
前歯を失った場合のインプラント以外の治療法には、ブリッジや入れ歯があります。ここでは、ブリッジや入れ歯について解説します。
ブリッジ
ブリッジとは、失った歯の隣接歯を削って支台にし、連結した被せ物を装着して欠損箇所を補う治療法です。固定式のため、入れ歯よりもしっかりとした噛み心地が得られます。保険適用の治療のため、インプラントに比べると費用を抑えられるのもメリットです。
ただし、両隣の歯を失っている場合や、両隣の歯の状態が悪い場合は治療できません。また、健康な隣接歯を大きく削る必要があることもデメリットです。
ブリッジは周りの歯の寿命を縮めるリスクがあることを理解しておきましょう。
入れ歯
入れ歯とは、取り外し式の義歯で歯を補う治療法です。歯茎や顎の粘膜部分に床(しょう)と呼ばれるパーツを乗せ、残存歯に留め金をかけて人工歯を支えます。
外科手術の必要がなく通院回数も少ないため、高齢者の方でも作りやすいでしょう。
ただし、インプラントやブリッジに比べると安定性が劣るため、硬いものや粘度の高いものは避けたほうがいいとされています。また、歯に金具をかけて入れ歯を支えるため、見た目が悪くなったり、周りの歯に負担がかかったりするのがデメリットです。
しかし、自費診療を選択した場合は、目立たない素材やデザインにできます。
まとめ
インプラントは1本から複数本にも対応できるため、前歯のみの治療も可能です。
ただし、奥歯に比べると前歯は顎の骨が薄いため、治療が難しいといわれています。インプラントを埋入する十分な厚みが骨にない場合は、追加で外科手術が必要になる可能性が高いでしょう。
前歯をインプラントにできるかどうかは、お口や全身の健康状態などによって異なります。インプラント治療について詳しく知りたい方は、一度歯科医師に相談してみてください。
前歯のインプラントを検討されている方は、東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療やマウスピース矯正、小児歯科、虫歯・歯周病治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。