こんにちは。東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」です。
「歯の矯正にはどれくらいの期間がかかるの?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。歯列を整える矯正治療は、目に見える効果を実感するまで時間を要するため、不安を抱く方も少なくありません。
この記事では、歯の矯正に要する期間の目安から、治療が長引く理由、歯がスムーズに動きやすい人の特徴、そして計画どおりに進めるポイントまでわかりやすく説明します。
歯の矯正にかかる期間
抜歯など行いながら歯を広い範囲で動かす場合は治療期間が長くなり、歯を動かす距離が短ければ治療期間も短くなります。治療期間の目安は、以下のとおりです。
矯正する範囲で変わる治療期間の目安
部分的に歯並びを整える部分矯正は、動かす距離が短いため通院回数も抑えられ、2ヶ月から1年半ほどで完了します。
ただし、抜歯の有無や歯ぐきの状態によっては調整回数が増え、期間が延びることがあります。全顎矯正は、上下すべての歯を対象にするため、平均1年から3年ほどかかります。
装置の種類で変わる治療期間の目安
装置のタイプによって歯にかかる力のかけ方や見た目が変わり、期間にも多少の差が出ます。もっとも一般的な表側矯正は、ブラケットとワイヤーを用いる方法で、1年から3年程度が目安です。
歯の裏側に装置をつける裏側矯正は見た目が目立たない利点がありますが、1年半から3年ほどかかる場合が多いです。マウスピース矯正は装着時間や交換サイクルを守ることで2ヶ月から3年ほどで完了するケースが多いでしょう。
動かした後に必要な保定期間の目安
歯を新しい位置で安定させる保定期間も含めると、矯正治療全体の期間はさらに延びます。歯が動いた後は安定するまでに時間がかかるため、3年程度はリテーナーを使用します。
歯の矯正に時間がかかる理由
歯の矯正に時間がかかる理由は、以下のとおりです。
骨のリモデリング
矯正装置で歯に力をかけると、歯の移動方向の骨は吸収され、反対側には新しい骨ができて歯を支えます。このリモデリングは骨細胞が働き、古い骨を壊しながら新しい骨を作る仕組みです。
骨の代謝速度は個人差が大きく、若い人ほど速く進むとされていますが、それでも時間がかかるため、治療にじっくり時間をかける必要があります。
歯の移動の限界
歯は1ヶ月に約1ミリずつしか動かせません。歯根や歯周組織への過剰な負担をかけずに安定させるための適切なペースです。矯正装置は弱い持続的な力を与えて少しずつ歯を移動させるため、強い力で一気に動かすと歯根吸収や歯ぐきの炎症が起こるリスクがあります。
個々の状況による違い
同じ矯正方法でも治療期間は患者さまによって変わります。たとえば、加齢によって骨代謝が遅くなると歯の動くスピードが落ち、舌癖や頬杖などの習慣があると歯に余計な力がかかって計画どおりに進まない場合があります。
また、歯並びの複雑さや抜歯の有無、虫歯や歯周病といったトラブルなども影響し、結果として治療期間に差が生じます。
後戻りを防ぐ保定期間
矯正終了後は、リテーナー(保定装置)を使い、歯が元の位置に戻るのを防ぎます。骨の再構築が完全に進むまでは歯列が不安定なため、寝ている間や決められた時間だけ装置をつけ続ける必要があります。
保定期間も3年ほどかかるケースがあり、この期間を守らないと歯が再び動くため、指示された期間はしっかり装着することが大切です。
歯が動きやすい人の共通点
歯が動きやすい人に共通する点は、以下のとおりです。
成長期
小学生から中学生にかけての成長期は骨代謝が非常に活発で、吸収と再生のスピードが速いため、矯正治療の効果が現れやすい時期です。特に、顎骨が成長途中にあるため、装置による歯列拡大や咬合誘導がスムーズに行われ、歯並びの改善も進行しやすいです。
代謝がいい方
成人でも、新陳代謝が整っている人ほど骨のリモデリングが円滑に進みます。適度な運動習慣を持ち、質の高い睡眠や栄養バランスに気を配っていると、骨細胞の働きが活性化し、歯を支える骨組織の吸収・再生サイクルが効率化されます。
さらに、ストレス管理や禁煙、適度な日光浴などでホルモンバランスを維持できていると、カルシウムやビタミンDの代謝も良くなります。歯の移動に必要な骨の変化が円滑に行われるでしょう。
歯を移動するスペースが十分にある
矯正治療中に歯が移動するには、適切なスペースが必要です。歯と歯の間にすき間がある場合や、顎骨の幅が広く余裕がある人は、抜歯を行わなくても歯列を整えやすくなります。
スペースが十分に確保できると、歯がスムーズに動きやすくなるため、装置装着後の痛みや違和感が抑えられ、通院間隔ごとの調整もスムーズに進みやすいでしょう。
悪習癖がない
舌で歯を押す癖や頬杖、無意識の歯ぎしりといった悪習癖がない患者さまは治療計画どおりに歯を移動させやすいです。悪習癖があると、矯正装置が加える力と反対方向の力が歯にかかり、治療計画にズレが生じやすくなります。
一定の力を弱く持続的にかけることで歯を動かす矯正では、外部からの余計な圧力があると歯根や歯周組織に不均一な負担がかかり、痛みや移動速度の低下を招きます。悪習癖を改善するためのトレーニングで癖を抑えられれば、装置の効果を妨げずに歯を計画どおりに動かせます。
歯科医師からの指示に従っている
基本的に、矯正治療では次回通院までの調整間隔が決まっています。ルールを守り、ブラッシングや歯ぐきケア、定期検診への通院を怠らない患者さまは、治療期間中にトラブルが少なく、装置の調整が計画どおりに進行できるケースが多いです。
自己流で装着時間を短くしたり、通院を後回しにしたりすると、歯が移動した位置に定着せず治療が停滞する恐れがあります。
歯の矯正を計画どおりに進めるためのポイント
歯の矯正を計画どおりに進めるためのポイントは、以下のとおりです。
歯科医師からの指示を守る
マウスピース矯正の場合は一日の装着時間が厳格に定められており、表側矯正や裏側矯正では調整間隔がルール化されています。これらを自己判断で変更すると、歯に伝わる力が不均一になり、計画どおりに歯が動かず治療期間が延びる原因になりやすいです。
指定された方法とタイミングをきちんと守ることで、歯科クリニックで立てたスケジュールどおりの移動が可能になります。装着状態に不安があるときは、自分で判断せず次回通院時に必ず相談しましょう。
定期検診を欠かさない
定期検診では虫歯や歯周病の早期発見・対処も行われ、治療中のトラブルによる中断リスクを抑える効果があります。歯のクリーニングもしてもらえるため、口内をキレイにしながら安心して矯正を続けられます。
セルフケアを丁寧に行う
矯正装置の周囲にはどうしても汚れがたまりやすく、ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスを怠るとプラークがたまって虫歯や歯ぐきの炎症を招きます。口内が健康に保たれると、装置の調整がスムーズに進み、通院回数の増加を避けられます。
特に、マウスピース矯正では、装着前後にしっかりマウスピース本体を洗浄し、歯も清潔にしてから装着することが重要です。いつも清潔な状態で装置を使い続けましょう。
アプリの活用
マウスピース矯正では、装着時間の管理や交換サイクルの通知を行う専用アプリを活用すると便利です。スマートフォンにタイマーやリマインダーを設定し、装着時間が足りないときに通知を受け取れます。
また、進捗管理機能を使って歯列の変化を写真で記録できるアプリもあり、定期的に画像を確認することで治療のモチベーションを維持できます。
保定装置を必ず使用する
矯正治療が終わっても、後戻りを防ぐためにリテーナーなどの保定装置を長期間使用し続けることが欠かせません。骨の再構築には時間がかかり、安定するまでには少なくとも1年、場合によっては3年ほど必要となります。
指示された装着時間を守り、装置を外す頻度を減らすほど、歯が新しい位置にしっかりと定着します。就寝中に装着するタイプが一般的ですが、日中も指示どおりに使うことで後戻りのリスクを最小限に抑えられます。
生活習慣の見直し
舌で歯を押す癖、頬杖、歯ぎしり、口呼吸などの悪習癖は、矯正装置がかける一定の力と逆方向の圧力を生じさせ、計画どおりの歯の移動を妨げます。これらの習慣は無意識に行われることが多いため、セルフチェックや専門家のアドバイスを受けて意識的に改善しましょう。
まとめ
歯の矯正は治療範囲や装置の種類で大きく変わりますが、おおむね2ヶ月~3年かかります。骨のリモデリング速度には個人差があるため、成長期の患者さまや代謝が良い方ほど短期間で効果を実感しやすいです。
治療を計画どおりに進めるには、歯科クリニックの指示に従いましょう。ブラッシングといったセルフケアや定期検診をきちんと行い、マウスピース矯正の場合には装着時間を守ることも不可欠です。
歯を移動させる治療が終了した後も、リテーナーを用いた保定期間には歯科医師の指示を守り、後戻りを防ぎましょう。マウスピースの管理には専用アプリを活用すると、装着時間の管理や進捗の把握が容易になり、モチベーション維持にも役立ちます。
矯正治療を検討されている方は、東京都墨田区、東武スカイツリーライン「鐘ヶ淵駅」西口より徒歩3分にある歯医者「にしざわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療やマウスピース矯正、小児歯科、虫歯・歯周病治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。