こんにちは。
墨田区鐘ヶ淵 鐘ヶ淵駅西口より徒歩3分の歯医者
「にしざわ歯科医院」 院長 西澤克哉です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
みなさんは「歯科用マイクロスコープ」をご存知でしょうか?
歯科用マイクロスコープとは、歯科用の顕微鏡のことで、下の写真は当院のものですが、このような形のものです。
視野が狭くて暗い歯科治療には必要不可欠になってきた道具です。
「でも、今まで通っていた歯医者さんで歯科用マイクロスコープを見たことないよ!」
という方も多くいらっしゃるかもしれません。
今回はなぜ歯科治療に歯科用マイクロスコープが必要なのかをお話しさせていただきたいと思います。
また、ご自身の歯を長い時間、しっかり多く残していきたいとお考えの方は歯医者さん選びの参考にしてみていただけると幸いです。
虫歯や歯の根っこの治療などの歯科治療は、歯科医師が目で直接確認し経験と感覚で行われていることがほとんどです。
歯科治療はいつも精密で繊細な治療を行なっていますが、見えていてしっかり治療した場合でも若干虫歯の一部分を微細に取り残してしまう場合もあります。
滅多に起こることではありませんが、疾病の再発に繋がる可能性も高まってしまいます。
このようなことを防ぐために、大変シビアなケースには歯科用マイクロスコープを使う歯科医師が増えてきています。
目次
一般的な歯科用マイクロスコープの特徴
歯科用マイクロスコープは、歯科医師や歯科衛生士が歯や口腔内の状態や病変を詳細に観察するために使用する特殊な歯科用の顕微鏡です。
歯科用マイクロスコープは、一般的な光学顕微鏡とは異なり、特殊な機能と設計が備わっています。
拡大能力
歯科用マイクロスコープは、通常、5倍から20倍以上の倍率で拡大することができます。これにより、歯や口腔内の微細な構造や病変を拡大して観察することが可能になります。
照明機能
歯科用マイクロスコープには、照明装置が組み込まれており、観察部位に光を照射します。
照明は、観察対象を明るく照らすだけでなく、特定の角度や方向からの照明を調整することも可能です。
ステレオビュー
歯科用マイクロスコープは、2つの独立した視野を持つステレオビューの形態を取ることが一般的です。これにより、立体的な視覚情報を得ることができ、歯科医師がより正確に深さや位置関係を把握することができます。
ビデオまたはデジタル画像の取得
一部の歯科用マイクロスコープは、ビデオやデジタルカメラを組み込んでおり、取り付けたカメラで治療の動画を撮影することができ、それを患者さんに実際に見ていただくことができます。
虫歯がどれだけ大きかったのか、歯の根の内部にどれだけの汚れが溜まっていたのか、歯の表面にどれだけ歯垢がへばりついていたのか、など、これらの現状を動画で見ていただくことが可能であり、また、治療中の動画も撮影することができるので、どのように治療したのか、治療後どのように現状が変わったのかが、一目瞭然なのです。
これにより、患者さんの歯や口腔内の状態を文書化したり、他の歯科医師と情報を共有したりすることが可能です。
歯科用マイクロスコープが治療に必要な理由
歯の詳細な観察
歯科用マイクロスコープを使用することで、歯科医師は歯の微細な構造を拡大して詳細に観察することができます。
これにより、歯の表面や虫歯の部位、根の状態などを正確に把握することができます。
例えば歯の表面に微小な亀裂やマイクロクラックがある場合、歯科用マイクロスコープを使ってそれらを確認し、適切な治療計画を立てることができます。
歯の根っこの治療
歯の根っこ治療に、歯科用マイクロスコープを使用することで、根っこ内の細かな構造や複雑な解剖学形態を観察し、根っこの治療をより正確に行うことができます。
根の中の狭い領域や微細な解剖学形態を可視化することで、治療の成功率を向上させることができます。
歯周治療
歯周病は、歯肉や歯の周囲の組織に影響を及ぼす炎症性の疾患です。
歯科用マイクロスコープを使用することで、歯周組織の状態を拡大して観察し、炎症や歯周ポケット、歯石などを正確に確認することができます。
これにより、適切な歯周治療が遂行でき、病状を改善することが可能です。
歯科外科手術
歯科用マイクロスコープは、歯科外科手術においても役立ちます。
例えば、インプラント手術や歯の抜歯などの手術において、歯科用マイクロスコープを使用することで、手術部位の細かな解剖学形態や組織の状態を観察し、より正確な手術を行うことができます。
歯科用マイクロスコープの使用は、歯科外科治療の精度と成功率を向上させるために非常に重要です。
歯科用マイクロスコープを使用の歯科医院
現在、日本全国に約7万軒ほどある歯科医院で、歯科用マイクロスコープを導入しているのはまだ3千軒程度と言われています。
これは全体の歯科医院数に対して約5%程度に過ぎず、単純計算で20軒に1軒の歯科医院にしか導入されていないということになります。
コンビニエンスストアほどの数がある歯医者さんですが、歯科用マイクロスコープによる精密治療が実現できているのはまだまだ数が限られているのです。
それでも昨今、歯が健康に与える影響が大きいことがメディアなどでもクローズアップされ、歯科用マイクロスコープでの治療を希望される患者さんも増えてきています。
しかし、全ての治療に必ずしも必要なわけではなく、最後の最後に取り出す最終兵器だと思っていただければ良いと思います。
それよりも、日頃から歯科医院での定期的なメンテナンスを怠らずにしていただき、歯に関心を持っていただくことのほうが重要だと考えております。
ぜひ、定期的に歯科医院での予防処置をお受けくださいね!!