こんにちは。
墨田区鐘ヶ淵 鐘ヶ淵駅西口より徒歩3分の歯医者
「にしざわ歯科医院」 院長 西澤克哉です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
「小学校に入学して急に体が大きくなって、歯が凸凹してきた感じがする。」
「体が大きくなって、顎が急にカクカクなる様になった。」
など、様々な症状がこの時期には見られます。
今回は「学齢期に知っておきたいお口のこと」についてお話しさせていただきたいと思います。
学齢期にはすでに食べること、お話をしっかりできるなどの基本的な口の機能は習得されています。
しかし、学齢期はまだ顎の成長が続いています。
そして、歯並び、噛み合わせなどの変化に応じて、新たに唇やベロの動かし方、咬む力の調節などを覚える時期でもあります。
そのため、この時期の歯並びの異常や、咬み合わせの異常など様々な悪習癖は口の機能に大きな影響を与えます。
この時期の問題が放置されてしまうとそのまま成人期に入った時に、機能的な問題が多々生じやすくなります。
適切な時期に矯正治療を開始したり、口腔の悪習癖に対する指導やなどを行う事は、お口の健康を維持する上でも大切なことです。
では、悪習癖などをほっておくと、どんな影響が出るのでしょうか?
咬むことへの影響
叢生 (歯と歯が重なってしまっていること) などの歯並びの不正や、上顎前突・開咬などの噛み合わせの異常は、口の機能に様々な影響を及ぼします。
硬い物や大きさのある食べ物を咀嚼する為にも、上下の歯と歯がきちんと咬み合う事が大切です。
上・下顎の前突が著しい場合や開咬があると、前歯でうまく噛み切れないため、麺類などの食べ物を咬み切る事が難しくなります。
また、叢生などの不正咬合では、上下の歯がうまく噛み合わず咀嚼の効率が悪くなり、唾液と混ぜ合わせることが困難です。
そのため、しっかり咬まない状態で飲み込んでしまうことになりが『丸飲み』『早食い』などの食べ方の問題につながることもあります。
また開咬や口唇閉鎖不全があると上下の前歯の隙間に舌を突出させて、唾液や食べ物を飲み込むという異常嚥下癖(も見られやすくなります。
咀嚼や食べ方の問題を解消する為にも、矯正治療や口腔習癖に対する筋機能療法による歯並び・噛み合わせの改善が必要と考えます。
発音への影響
歯並びや噛み合わせが悪いと、舌や口唇の動きにも影響を及ぼし、発音の障害にもつながります。著しい上顎の前突や開咬によって口唇の閉鎖がむずかしいとパ行、バ行などの調音が難しくなります。
また、上顎の前歯部の空隙や歯の欠損がある場合は、空気が抜けてしまいサ行の発音に影響を及ぼします。
これらの場合は、口唇や舌の機能訓練で、ある程度の改善が見込まれます。
しかし、多くの場合は歯並びや噛み合わせを矯正治療する事での改善が最善と考えられます。
顎への影響
6歳頃に第一大臼歯、12歳頃に第二大臼歯が生える時期です。
奥歯がしっかり咬み出すと噛み合わせの高さが増加し顎の成長も促進されます。
顎関節の周囲の成長も促進され、位置や形態も成人と同様になってきます。
顎関節部の雑音や痛み、開きづらさなどはこの時期になると症状を訴えるお子様多く見られます。
特に12歳ごろの第二大臼歯は生え出す頃に症状を訴える場合が多いです。
不正咬合による顎の変位や顎の動きが悪いことからの障害が関与している可能性も考えられます。
顎関節症と診断されると、日常の生活習慣を十分検討しながら適切な対応をしていくことが重要となります。
虫歯・歯肉炎への影響
叢生で歯と歯が重なっていると歯ブラシでもしっかり磨けなくなり、歯垢(プラーク)が形成されやすくなります。
歯垢の中には大量の細菌が生息しているため、接している歯肉に炎症を引き起こしたり、虫歯を引き起こしたりしてしまうことがあります。
また、咬み合わせが悪く上下の歯が上手く咬みあっていない場合、食べ物の流れが悪く、食べカスが長く停滞してしまい、歯肉炎や虫歯を生じ易くなります。
このように、歯並びや咬み合わせの不正は外見上の問題ばかりではなく、食べる、話すなどの日常生活の不都合を与えてしまったり、さらには虫歯や歯肉炎のリスクを向上してしまうなど、色々な問題が発生してしまいます。
こういった問題の解決には、日常生活でしっかり成長を観察し、悪くなってしまった場合は歯科医師による専門的な治療が必要性と考えます。
ぜひ、思い当たる点があると思われる親御様は、早急に歯科医師にご相談ください。