こんにちは。
墨田区鐘ヶ淵 鐘ヶ淵駅西口より徒歩3分の歯医者
「にしざわ歯科医院」 院長 西澤克哉です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
虫歯の治療で歯を削られた経験のある人は多いのではないでしょうか。
歯を削った時のあの独特な「キーン」という音が苦手な人も多いことでしょう。
歯を削った部分には何かしらの人工物を詰めて直しますよね。
ですが、虫歯だからといって、今は必ずしも歯を削る治療が必要な訳ではありません。
本当に初期の虫歯や進行する可能性が低い虫歯は、口の中の環境をしっかりと整えて、経過を見ていくことで、虫歯の進行を止められます。
しかし、痛みがあったりや冷たいものや熱いものにしみるなどの症状が出ている場合は、削って治療をする必要があります。
そこで今回は、削らなくても良い虫歯、削らなければならない虫歯について、詳しく解お話しさせていただきたいと思います。
目次
初期の虫歯は削らなくて良い!
以前、虫歯の治療は「早期発見・早期治療」と言われてきました。
「早期発見」は今でも大変重要なことですが、「早期治療」については現在あまり重要視されなくなってきました。
歯は一度削ってから詰めてしまうと、詰め物が取れてしまったり、詰め物が劣化してしまったり、再び虫歯ができてしまうことなどが起こり、何度も治療をやり直すことになってしまうことが多く見られます。
初期のごくごく小さい虫歯であれば、口腔内の環境を整えることによって再石灰化という現象が起こり、再生が可能です。
また、多少黒くなってしまった虫歯であっても、定期的に観察し予防していくことで、虫歯の進行を止められる可能性があります。
歯科医師に虫歯の状態を正確に判断してもらいましょう!
虫歯の深さは見た目だけでははっきり判断できません。
虫歯の入り口が小さく狭くても実は中の方で大きく虫歯が広がっているケースがよくあります。
歯科医院ではレントゲンを用いて虫歯の深さや状態を診断します。
また、最近ではダイアグノデントペンという特殊な機械で、虫歯の深さや状態を特殊なレーザーを当てることによって客観的に評価できるようになりました。
この機械は厚生労働省も認めているしっかりとしたもので、採用されている歯科医院も多いと思われます。
当院でもこのダイアグノデントペンの機器を取り入れています。
いくら歯を削らない治療を望んでいても、歯の状態が悪く結果的にもっと虫歯が広がってしまっては意味がありません。
歯科医師に虫歯治療の状態や治療方法については事前によく確認しましょう。
ごくごく初期の虫歯にはフッ素塗布をしましょう
フッ素の成分の中に歯から溶け出したミネラルを再び歯質に取り込む「歯の再石灰化作用」があります。
また、歯を虫歯にさせにくい強固な歯質にする効果もあります。
特に乳歯や生えたばかりの永久歯の場合はフッ素を取り込みやすく効果的と思われます。
なるべく歯を削らないほうが良いのでしょうか?
歯を削ると歯の寿命が短くなると言われています。
しかし、どういった理由で歯の寿命が短くなってしまうのでしょうか?
では、歯を削ってしまった場合のデメリットを説明します。
1.削って治療したところから虫歯になりやすくなる
一度歯を削ってしまうと削った場所から虫歯になりやすくなるというデメリットがあります。
治療のために削る訳ですが、なぜそこから虫歯に再度なりやすくなるのでしょうか。
歯を削った場合、削った部分には何かしらの人工物で修復する必要があります。
その詰めた人工物と周りに残った自分の歯の間には多少の隙間が存在し、口の中にいる細菌がその場所に付着しやすくなります。
その隙間の部分で虫歯菌が繁殖するとその部分が虫歯になってしまい、そこから虫歯が進行していきます。
2.痛みや知覚過敏の原因になる
歯を削ってしまった場合、削った穴が歯の中心近くにある歯髄(神経、動静脈の総称)に近づきます。
その結果、冷たい空気や冷たい水などのいろいろな刺激によって痛みを感じやすくなります。
このことを知覚過敏と言います。
3.歯髄炎の原因になる可能性がある
歯を削る時の刺激や、歯を削った時に出る熱などの刺激によって歯髄にダメージが起こり歯髄炎という症状になってしまう可能性があります。
歯髄炎とはまさに歯髄に炎症が起きている状態で、一度罹患してしまうとほとんどの場合は歯の神経を取り除く大々的な治療しないと治りません。
歯の神経の治療は時間がとても長くかかります。
また治療後も歯がもろくなってしまったり、歯が折れやすくなるというリスクがあります。
また、一度治療した歯の根っこに炎症が再度起きてしまい、歯を失うリスクが増えてしまいます。
このような理由から歯の寿命が短くなってしまうと考えられます。
このように歯を削ってしまうと歯の寿命を短くしてしまうリスクが色々出てきてしまいます。
一番は虫歯を作らないように予防していくことで歯を削る必要がない状態を維持していくことです。
また、初期の虫歯の段階で早期に発見し、経過をみていくことによって、なるべく虫歯の進行を遅らせ、歯を削る時期を先延ばしにしてことが大事だと思われます。
しかし、ここで誤解しないでもらいたいのですが、ある程度大きな虫歯ができてしまった場合には、一刻も早く削って治療してもらい、しっかり直すべきです。
皆さん、『早期発見、早期治療を心がけましょう!』