こんにちは。
墨田区鐘ヶ淵
鐘ヶ淵駅西口より徒歩3分の歯医者「にしざわ歯科医院」
院長 西澤克哉です。
以前に、「前歯が抜けてしまったら?」というテーマで書かせて頂きました。
そこで今回は、「乳歯をぶつけてしまったら?」についてお話しさせていただきたいと思います。
乳歯を強くぶつけた時に起こるのが、「歯の変色」です。
知らない間にお子様の歯が赤く見えたり、黒っぽくなってきたという経験はありませんか?
お子様が転んで歯をぶつけてしまい、その時は何の問題もなかったのですが、
数週間から数ヶ月後に歯が変色してくることがよくあります。
これはどうして起こるのでしょうか?
これはぶつけた衝撃で歯の神経が変化してしまったためです。
最初は、うっ血し歯が赤く見え始めます。
そして、この状態をずっと放置してしまうと、歯の神経が完全に腐ってしまいます。
この状態になると歯が黒っぽく見えてきます。
さらに放置すると、歯の根っこの先に膿み(ウミ)をためはじめてしまいます。
もっと進行すると、根の先の膿みが骨を溶かして歯肉をニキビの様に膨らせ始めます。
この状態になってなんだか歯の周りがおかしいな?
と気づかれた方が、診療室にお子様を連れてこられるというケースが多いです。
ですが、この状態を通り越して放置してしまいますと、ひどい場合は顔がパンパンに腫れてきたりしてしまいます。
歯が変色した場合は、歯の神経の治療を開始しなくてはなりません。
そして、治療にも大変時間がかかってしまいます。
場合によっては、歯を抜かなければならない事もあります。
お子さまが転んだりして、歯を強くぶつけた時に
「歯が動いていないから大丈夫。」
「歯が欠けていないから大丈夫。」
「歯茎から血が出ていないから大丈夫。」
「痛みを訴えていないから大丈夫。」
のように、軽く判断しないようにして下さいね。
見た目で何も問題がなくても、よーく歯を見てみると
歯の表面にうっすら亀裂が走っていることがあります。
このわずかな隙間から、細菌が侵入してきてしまいます。
その結果、神経にダメージを負わせ、結果的に神経を腐らせてしまうことがかなりあると報告されています。
「転んで歯をぶつけちゃったけどどうしよう?」と思ったら、
症状もなく、なんでもなくてもすぐに歯科医院に行って、歯科医師に相談してくださいね!
あともう一つ、乳歯のケガの特徴として「その後生えてくる永久歯に影響を与える」
という大事な事があります。
永久歯は、乳歯の下でゆっくりと育っています。
その為ぶつけた衝撃で、すでに育ち始めている永久歯の赤ちゃん(歯胚)を
強く衝撃を受けた乳歯が大きく動いてしまい、永久歯を傷つけてしまうことがあります。
そうすると、のちに生えてきた永久歯が白濁していたり、形がおかしくなっていたりすることがあります。
とにかく繰り返しになりますが、強くぶつけてしまったときや、歯が少しかけてしまったときは、
何も症状が無くても歯科医師に早くみてもらって下さい。
その後は定期的に経過を観察してもらう様にして下さい。
歯は一生使うものですからね。